オリジナルドレス

ウェディングドレスについて、あらゆる面から発信します。

誰でも花嫁になる資格はある。

私の仕事というのは、
幸せを運ぶものだと自負している。

だからお客様は、皆笑顔で来店し、
笑顔で終わっていく。

そんなのは当たり前だと思っていた。

夢や希望に満ちた仕事だからこそ、
やりがいを感じている。

少し前の話しである。

男性が一人で来店されたことがあった。

実は当店は普通、初回来店は、男性一人でくることはまずない。

大抵は、女性が電話してきて予約をとる。

そして主役の女性の方から、衣装の試着をしていく。

男性はおまけだからという流れもあって、ほとんど後回しだ。

だから男性一人の来店はちょっと不思議だ。

予感は的中!

この男性はある女性のウェディングドレスを探しているという。

もちろん大歓迎だ!と私はすぐに思う。

「いつ使われますか?」といつものように質問をする。

男性は「明日、明後日、いや今日かもしれない・・・」という。
ずいぶん曖昧である。

今まではこんな急な依頼は一度もない。まずは驚いた。

ほとんどの花嫁は少なくとも、一ヶ月以上も前にドレスを決めていく。
こんなぎりぎりは初めてだ...

不思議に思いながらも、「ご本人は?」と聞く私...

なぜなら、ウェディングドレスというものは、お客様の顔を見ているからこそ、
どんなデザインを提案していくかを、考えていくものであり、
何よりもサイズの問題がある。

「本人は来られません・・・」と男性いう。

「というのは?」と戸惑う私...

「病気なんです...」
「ウェディングドレスを着せて送ってあげたいんです...」

「......」

私はこれ以上何を聞いたらいいのか、わかりません。

初めての出来事に、どう対処したらいいのか分からず、

戸惑うだけだった。

「ドレスは販売(買う)方向ですかね...」

そこで販売金額を提示した。

男性もどうしたらいいのか、わからい様子で、
私以上に戸惑っていた。

私は、いつものように、
自信にあふれた営業トークができなかった。
言葉が詰まるばかりだった。

私の頭の中は複雑になって、
いろんな思いの入り混ざった気持ちになっていた。

「どういたしましょうか?」と聞く私...

「考えてみます・・・」と男性も迷っていた...

「また待ちしております」と私...

男性は静かに帰っていった。(名前は聞けていない)

そして二度と戻ってこなかった...


私は後悔した。

すごく後悔した。

自分の接客のすべてに後悔した。

誰にだって花嫁になる資格がある。(いつも自分に言ってきたことだった)

なぜもっと良い提案ができなかったのか、後悔した。

女性の顔がみえなくても、もっと男性から話を
聞き出せばよかった...

もっとプロとして
突っ込んだ会話をすればよかった...

その日に
無理にでも
ウェディングドレスを男性に売ればよかったと思った。



今でもこの気持ちをうまく説明できないが、

今までの中で一番後悔した接客となった・・・

そしてあれからずっと心にひかかっている。

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